略歴
- 1957
- 兵庫県生まれ
- 1989
- 東京藝術大学彫刻科 卒業
出版物
- 2024
- 『建物彫刻』 道音舎
個展
- 2023
- 「その奥にある小さな泉」ArtLabo北舟/北海道
- 2022
- 「天空郵便 - RAIN -」ギャラリー勇斎/奈良
- 2020
- 「海へ還る」 日本橋髙島屋S.C.美術画廊X/東京
- 2019
- 「ちいさな彫刻」の小さなてんらんかい ギャラリー抱月/東京
- 2013
- 「象について」 HANARE/兵庫
- 2009
- 小野町デパート/和歌山
- 2008
- Gallery SOL/東京
- 2007
- 源じろう/和歌山
- 2006
- cafe sheep/大阪
- 2005
- Gallery SOL/東京
- 2004
- Galleryいろはに/大阪
- 1996
- 「精霊の家」制作/千葉
- 1991
- ドイツ文化会館OAGホール/東京
グループ展・シンポジウム
- 2011
- アートイベント「満潮祭」/和歌山
- 2010
- Pameran Poskad/シンガポール
- 1998
- 韓国チョンジュ市美術展/韓国
- 1989
- 播磨新宮彫刻シンポジウム 借景作品「彼方」制作/兵庫
パフォーマンス・舞台作品
- 2012
- 創作集団「ひとひみつ」参加 作品「もやもや」制作発表 南魚沼市民会館/新潟
- 1997
- ダンスラボ青森公演 美術参加
- 1992
- 劇団電気曲馬団野外公演「一千一秒物語」美術技師 大宮ソニックシティ/埼玉
1957年兵庫県西宮市に生まれる。1989年東京藝術大学彫刻科卒業。絵画、音楽、詩、舞台美術などの表現を並行。小さな建物の彫刻をつくるようになる。1995年頃「建物彫刻」というコトバが想い浮かぶ。
緒方君の建物を飛ぶ ──── 舟越 桂
若い頃に観た「バーディー」という、鳥になって空中を飛ぶことにとりつかれた青年の映画が好きだった。そのあと、私はある想像をしながら道を歩くことをおぼえた。建物や塀や垣根のわきを歩く時、「今、ぼくのこの首から下は、下ではなく、頭の真うしろへ伸びているのだ」と。そうすると、私は空中をひらひらと飛んでいる感覚にひたれるのだった。緒方君の建物の内部の写真を見ていたら、久しぶりにあの感覚がよみがえってきた。
私たちは、「何ものか」になって、彼の小さな「建物」の上空や室内を飛び回ることができる。小さくなった私には、その空間が、今は見えない人間の気配で満たされているように感じる。それは、「思い」や「精神」、あるいは「祈り」という言葉に置きかえてもいいのかもしれない。「そこ」で私たちは忘れたくない場所や人と出会えるのかもしれない。そんなことを思った。